木は、根から水分を吸い、葉から二酸化炭素を吸い、太陽エネルギーによって生長します。
大気中から二酸化炭素として吸収された炭素は、太陽エネルギーの光合成によって樹幹内にセルロースやリグニンという炭素化合物として固定されます。
このことは、木が伐採された後も続きます。
燃やさない限りは、そのまま炭素を固定し続けます。
しかし、燃やせば炭素は大気中に戻ります。
成熟した森林や手入れのされない森林(人工林)では、二酸化炭素の吸収能力は低下します。
燃やして大気中に戻った炭素を吸収するには「適切な森林経営(森林整備)がなされている森林」が必要になります。
木は中に水分を含んでいますが、それには自由水と結合水の2種類があります。
自由水は木材細胞の空隙に詰まっている水で、これは木材組織の間にあるただの液体の水なので、木の本質にはほとんど関係ありません。
結合水は木材としっかり結び付いているので、この水が出たり入ったりすると、木が伸び縮みすることになります。
含水率は、完全に乾燥して水分を含まない木材が100で、それに水分が10加わった状態を10%といいます。
一般的には100gの中に10gの水分が10%という定義になりますが、木材含水率の表示をすると
10÷(100-10)x100=11.1%となります。
板には表と裏があり、樹皮に近い側を「木表」、樹芯に近い側を「木裏」といいます。樹皮に近い側ほど乾燥が早く、製材後は木表側が先に縮み、反りが生じます。
年輪に対して、直角な放射方向に挽くと、樹芯の両サイドに「柾目板」が取れます。これに対して、年輪に接する接線方向に挽くと「板目板」が取れます。
「柾目板」は真っすぐに並ぶ縦縞模様の木目です。
「板目板」は等高線のような筍模様の木目です。
一般的には木表と木裏の差がない柾目板は反りにくいとされています。また「板目板」は強度が強く、水分を通しにくい、「柾目板」は強度は弱いが水分をよく吸収する特性があります。
またアテ材といって、傾斜地などで樹芯が一方に偏って生長し、通常とは異なる性質を持つ材もあります。
アテ材は反りやネジレなど狂いの原因となることがあります。
このように同じ材種でも育った環境や製材の方法などで特徴が変わります。